2010 . 07 . 19

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フォワグラのポワレです。厚みのあるフォワグラに火を通し、おひとり様分ずつスプーンの上に盛りました。リンゴを炒めて甘みと香りを出し、シードルビネガーを加えた酸味のあるソースをかけました。前菜料理や、おつまみとしてどうぞ

nana
 
 
5月5日(水)は通常営業、5月6日(木)はお休みさせていただきます(2010.4.30)
4月25日(日)はお休みさせていただきます(2010.4.10)
3月18日(木)はお休みさせていただきます(2010.3.11)
1月11日(月)~15日(金)を冬期休業とさせていただきます(2010.1.3)
12月31日~1月3日 年末年始の営業のご案内(2009.12.28)
12月22日(火)~25日(金) 2009年クリスマスディナーメニューのお知らせ(2009.12.5)

   

 la vache folle

「狂牛病」という言葉をあまり目にしなくなった。日本語には難しいところやデリケートな部分もある。最近だと、牛海綿状脳症と書いてその後ろの括弧にBSEと入れるのが一般的みたいだ。
僕がフランスにいた2000年から2001年は、フランスという国がこの問題に対して初めて真剣に向き合わなければならなくなった時期だった。それまではきっと多くのひとが「狂牛病」はイギリスだけのものだと思っていた。
ちょうどジビエが肉屋に並び始めた季節から、メディアで「vache folle」という言葉を見ない日はなくなった。スーパーから牛肉がなくなって、学校の給食のメニューからも牛肉は外された。数日間は世の中が極端だった。
当たり前かもしれないけど人間は「狂牛病」にはならない。問題のある肉や内臓類を食べて発症したとするなら、それは新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病と呼ばれている。この病気で初めてイギリスで死者が出たのが1996年といわれている。だから周辺の国々がそれなりの予防や対策に取り組み始めたのもこの年だった。
それから4年が過ぎたのだから、まずはそれ以前に産まれている牛を排除するべきだという要求を出しているフランスの組合の報道があった。そんな発言が出ると4歳以上は危ないんだということになる。数日後にはEUが、条件付きで30箇月齢以上の牛の検査を義務づける決定をすることになった。検査の対象に月齢幾つ以上、幾つ以下という表現が使われるようになったのは、僕はこの時期が最初のことだったと思う。
そのすぐあとには、それまで向こう側の出来事のように眺めていたドイツやスペイン、イタリアなどでも自国の「狂牛病」の報道を始めることになってしまった。新しいミレネールの始まりにずっとくっついていた話題だった。
今ではフランス料理で、例えば脳みそ料理をメニューで見ることは珍しくなった。別に脳みそを勧めるわけじゃないけど、こんな理由で脳みそが食べられなくなるならいいことがどこにもない。味覚ではない問題で、自分の周りのひとが食べたくないものは僕は食べないことに決めている。
「狂牛病」と呼びづらくなったのはその主語を「牛」にしているからだろう。牛に牛の骨の粉を食べさせたり、そういった禁止された安価な飼料を不正に輸入したり、外すと決めた骨が外されていなかったり。牛の肉が悪かったわけじゃない。今さら牛の首を切り落としてもしょうがない。食物連鎖ではない連鎖がきっとあった。
あれから数年経って、特にパリではビオとかナチュールという言葉に触れる機会が増えた。「狂牛病」の影響も間違いなくある。それを否定はしたくない。僕も買ってみることもある。でも僕はそこに高めのお金を使うなら既存の生産者にも同じように適正な価格を支払えるようにしたい。フランスの町のマルシェでは、泥がついていたり形の揃っていない季節の野菜や果物が色鮮やかに並べられている。ビオやナチュールにも負けない自然なものがそこにはある。